11章 ステファンの帰宅

p193
「以前と同じ部屋で、遅くに目を覚ました」と、ステファンは続けた。
「結局、その部屋はおかしな部屋ではなく、家と同じ部屋のようなものだった。ほんの少し見た時は違っているようにだった。部屋の窓の外を見ると、そこはいつもの裏庭ではなかった。
 女性が、僕のベッドの傍の椅子に座っていた。何が起きているの?何が起きているのか教えて。僕は戸惑い、混乱していた。
彼女は言った。スティーブ、あなたはもう、肉体は使えないのよ。あなたは、状態がとっても悪くなって、今世から抜け出たのよ。あなたは、今、私たちとここにいるのよ。I’ll tell you again what iti’s like here.あなたは、私たちの会話を忘れてしまっているわ。私はあなたが、古い友達や、知り合いの方たちに会えるようにしたり、懇意になるのを手助けしてるのよ。
 でも、僕はここにはいたくない。ここは天国?地獄?あなたは天使なの?私の家族はどこにいるの?どうして、裏庭が違ったり、自分の部屋が違っているの?元気に振るまおうとしたけど、怖かった。たぶん、これは夢で、今、目覚めようとしてるんだ、これは夢?
p194
 いいえ、違うのよ、夢なんかじゃないのよ、ここは天国でも、地獄でもないわ。片方の足をちょっと地球に、もう片方を天国にちょっと置いている感じで、すばらしいところよ、そんな風に言えると思うわ。
ここは、断じて、地獄なんかじゃないわ、自身が地獄と思わって、地獄を作り出さないない限りわね。地獄なんか作り出す必要なんかないわ。以前と同じ部屋と思って楽しんでいいのよ。表に出てみましょう、まわりを案内するわ。
何も見たくなんかない、と僕は叫んだんだ。家族がいるところを教えて、そこに行かせて。
待った穂がいいわ、スティーブ。そうすると、もし、会いたいと思ったら、誰とでも会えるようになるのよ。ここには、あなたに会いたくて、歓迎したい人が沢山いるのよ。
ステーブ:なぜ、あなたがここにいるの?と僕は言い張った。あなたは天使なの?天使でないならなしてここにいるの?あなたは亡くなった人なの?
女性:みんなは、私は亡くなっているというと思うわ。彼女は笑いながら言った。でも、生きているように見えない?死ぬことはあなたが以前思っていたこととは違うということを発見すると思うよ。あなたのように少し早めにここに来てしまった若い人のお世話をして、この場所に慣れてなじんでなってもらうのが私の仕事で、ここにいるんだよ。私は天使ではないけど、ここには天使もいるのよ。
ステファン:彼女は、一生懸命印象を良くするように努めていたので、そんな彼女が悲しまないように、彼女と一緒に行くことにしました。最初私は彼女にあらゆる質問をして、私たちは長い時間、話をしました。彼女はもう一度、祖父のHに会えるように私を連れていきました。おじいちゃんと、私はお父さんについてとか沢山のことについて話をしました。おじいちゃんは、好印象で写真と同じ人物でした。僕は、お母さんのお母さんとお父さんに会って、家族について話をしました。知らなかったり、お母さんやおばあちゃんが持っていた写真で微かに覚えている知り合いの沢山の方と会った。私が彼らを知っているような気がしたし、彼らは私を家族の一員のように接してくれた。私は亡くなった方を考えたが、会うことは無かった。
辺りを見渡すと、なじまないことを除くと、生きていた場所と違いは無かった。
 (I looked around and it wasn’t all that different from where we lived except that it wasn’t familiar.)
どこにでも、木々、鳥たち、通り、家々、そして人々がいた。
p195
親切で幸せそうな人がいたり、話しかけてくる人がいたり、おしゃべりしないで通り過ぎる人がいたり、他の方は手を振っていた(waved)。僕と同じ年の子、全ての年代の人が友達と走ったり、歩いていたりした。お年寄りの方もいたが多くは無かった。後で彼女が教えてくれたんですが、みんな、しばらくの間、死んだときの年齢から自分がなりたい年齢に成長しているんだって。
 僕はみじめだったんだ。幸せそうにしようとしたけど、家にもどるには何かを対処する必要があった。(there were things I need to take care of back home)ここは、思いこまされて、知っていたところとは違っていた、たとえ、彼女が否定しようが、そして、家に戻る方法を考えていた。ここは天国ではない。天国では天使がハープを奏でながら、雲のまわりを漂っている。ここでは、誰もが羽なんかないし、雲の上にもいない。いるのは家でみるような普通の人々だ。ただ、ここは家ではないし、家でないのに普通の人々しかいないのが嫌だった。そんな状態が誰かほかの人はいいのかもしれないけど、僕は嫌だった。僕は家に帰りたかった、今すぐに。
 僕は自分の部屋に戻ることに決めて、横になって考えた。それで、ここにいるんだ。どうやってここに来たかは分からないんだ。確かに歩いちゃいないんだ。彼女もそこにいた。彼女は説明したんだ、もう肉体が無いから、ここでは思いを使えるんですよ。実際は今用の体を持っているんですよ、それは精妙で空気のような体なんですよ、そして、以前の物理的な体と違って何の制限も無いんですよ。
 僕は見下ろして、ショックだったんだ、だって太っていないんだもの。僕は痩せていたんだ、重しを付けて運動し(work out on weights)、食事もしないでいたかのように痩せていた。立ち上がって、服が合うかなあと思った。30ポンドは痩せたに違いない。壁に鏡を覗いた。素晴らしい、友達や、リンやケーシーが見てくれるまで待ってよう。
 ステファン、と、彼女は優しく言ったんだ、い感じに見えるよ、そしてすぐに気持ちが良くなるよ。でも、こっちでは友達はあなたの姿は見れないんだよ。
 僕は仰向けにベッドに横になった、胃の調子がおかしい、そして眠りに落ちた。目を覚まして木を思い出し、何をしたかを思い出した。具合が悪くなり、吐きそうになった。
p196
突然、僕は木々の中に居た。何が起きたの?have hanged myself の木を見れたけど、ロープは無くなっていた。何か印を残したかな、と訝った。そう思ったとき、少し浮いて枝の傍まで近づいて、木から無くなっていた木の皮を見ました。他には何もありませんでした。全ての物は無くなっていました。僕は確かに吐いたんだ、でもベッドに戻ったら、吐いてなんかいなかった。
 彼女は言ったんだ、「あなたのためのメモリアルサービスがあるんですよ、出てみない?元気になるのに役に立つと思いますよ」
 ううん、でも、みんなは僕のことを見えないんだよね、行きたくないや、ここにいる、ちょっとの間、そう思ったけど気が変わった、と彼女に言ったんだ。このサービスは2・3日かかる、僕の準備をお手伝いしますよと、彼女は説明した。弟に会えるの、って聞いたんだ。彼女はうなずいて、部屋を出ようと歩き始めた途端に、もうボブの所に来たんだ。
 ボブはタバコを吸いながら、ベッドに横たわっていたよ。ハーイ、ボブ、と声かけた。彼はチラッと、僕の方をみて、僕はもう一回、ハーイ、ボブ、と呼びかけたんだ。僕だよ。僕は彼女に言ったんだ、彼は僕を見れるし、僕の声が聞こえてるよ。彼女は言ったんだ、どうかな、彼はまだ、あなたが私たちと一緒にここにいることには気が付いていませんよ。He will be told very soon,but right now he dose’nt know you are dead.僕は具合が悪くなった。僕は思ったんだ、ボブは対応すべき問題をたくさん抱えていたし、僕が何をしたか知ったとき、恐怖感に苛まされているんだ。僕のことを心底から憎むんだろうし、僕のことを愚かだなあ、と思うんだろう。
 去ろうとしたけど、彼の所に行ってハグをしたんだ、だって、彼のことをどんなにか愛しているかって知ってるし、友達でいてほしかったから。彼は僕が死後世界に存在していることなんか知らない。(He didi’nt even know I was there.)僕は、思い出し始めたんだ、僕たちが一緒に過ごした素晴らしい時間、ちょっと嫌なこともあったけど。離れるのは嫌だったけど、仕方なかった。
 お母さんさ、僕とお母さんは仲が良かったから、もう一度家に戻ろうとしたんだ。僕がそう思うと、そうなっちゃうんだよ。ドアの右横に居て、ドアノブを回して部屋の中に入ろうとした途端、もう部屋の中に居たんだ。ドアは開かなかったけど、部屋の中に居たんだ。ドアをすり抜けたんだと思う。
p197
お母さんを探そうとして家中、探したけど、誰もいなかった。寂しく感じ、ホームシックになったんだ、キャンプに行って、もう帰る用意ができていたときの感じよりももっとだよ。部屋まで行ったら、全部が思っていた通りだった、、、乱雑。でも、誰かが荷物を片づけて、ベッドの上に積まれていた。衣類のいくつかは、ベッドの上のプラスティックのバッグの中におさめられていた。個人的な文書、全部が整理されて積まれ、動かされていた。僕の個人的なものを誰かが触るなんて考えることがあるだろうか。かがんで、それらを取上げて、元に戻そうとしたけど、できなかった。小さな紙の一枚も、持ち上げることはできなかった。こんなのって、おかしい。これらは僕の個人的な文書なのに。いったい誰に、僕の物をグチャグチャにする(mess with:ずさんに扱う)権利があるんだ!
 文句を言おうと一気に1階まで降りたけど、そこには誰もいないことを忘れていた。Eve the lady was nowhere to be seen.どこかに行っているところからお母さんが帰るまで、ちょっと見るだけど、全部の部屋に入った。
横になってテレビを見たり、冷蔵庫を開けようとしたけど、できるのは椅子に座ることだけだった。
 車の停まるのが聞こえたので、窓の外を見た。お母さんが戻ってきた!お母さんに、トム・アンドレラ・デビー。
お母さんに会うために、飛び出した。お母さん、僕だよ、戻ったんだよ!お母さんは僕越しに見つめていた。お母さんはひどい顔色をしていた。目は腫れあがり、肩をがっくり落とし、玄関に入るや否や(on the way in the door)泣き出して、僕の部屋に駆け上りベッドに倒れこんだ。僕はついていった。お母さんは僕のシャツをつかんで顔の下に押し込んで、泣きじゃくった。僕はお母さんを抱きしめたけど、抱きしめた感じはしなかったし、お母さんもそうみたいだった、そのことに気も狂いそうになった。僕は本当に死んじゃったんだ。死。死は死んじゃったと思われること。僕は、かつてやったと同じように、聞くことも、見ることができるし、何でもできる。僕は、本当は死んでなんかいない。僕はそのことを知っているけど、他の誰もそのことは知らない。僕に、何ができるの?ひどいよ。母さんは僕が死んだと思っているから泣いているんだ。僕はお母さんをハグして、僕は死んでなんかいないよ、と言ってるけど、お母さんは分からないでいる。
 お母さん、このことを説明しているんだよ、だって、僕が感じている信じられないほどの痛みやフラストレーションを理解しているためには大事なことなんだ。どのように死のうとも(no matter how we die)多くの人は、こんな苦悶を経験するんだ。
p198
ふつう、肉体があるときは、してはいけない何かをした時、しばらくの間つらいけど、状況が良くなってきて、そのうちに埋め合わせをすることができる。死んだときはそれでおしまい。最後なんだ。この地球上で好きだったことや楽しんだことなんかも終わりなんだ。そんなことを変えようと、いくら一生懸命しても、できることは無いんだ。
 僕にとって、つらい時間だった。新しい部屋に戻って(Back in my room)、お父さんに会いに行こうかな、って聞いたら、彼女は、「ちょっと待って。あなたを他の所に連れていきたいの」と言うんだ。この大きな建物に着くまでに僕の部屋ができていたこの家の大広間に降りて行った。図書館のような大きな部屋に入った。そこには机があって、あちこちに座って、本を読んだり、何かを見ていたりしている人達がいた。彼女にここは図書館かどうか聞くと、僕も何か読むものを探したらいいじゃんないと勧めた。棚の本に近寄った。本当は、読書に関心が無かったけど、彼女の気持ちを害するのが嫌で、いろいろな本を眺めた。死後の生活についての本に決めた。その本を取上げた時、ちょっと電気的なショックを手に感じたような変な気がした。その本を開いて、文字を眺めると、読むことができて、頭の中に入ってきた気がした。それは変な感覚で、文字が頭の中で絵になるような感じだった。同時に、本を読めて、絵として見ることができて、聞こえた。これは死を伴う変化について、また、肉体を持たなくなったときに向けて準備するのがどんなに必要かについての本だった。あの時は、あの特定の本を見つけたことは奇妙な一致だと思った。もし、大人になったら学ばなければならないことのひとつであることを、今は知っている。それは全然、一致とはいえない。
 再び、自分の肉体のことをよく知るようになった。僕の胃は痩せて平べったい。自分の体を触ると、しっかりとしていて固い。死んだ人の体は、幽霊のようなものだと思っていたけど、僕の体は現生の体と同じ、または、そう感じていた。この本に書いていた、死後の世界は、現生のときの体が無いことに慣れるまで、現生の時に肉体を持っていた時と同じ作りになっている。全部読んだけど、呼んでいるとき、まさに、他の学び方が用意されていた。一冊全部を読むのにほんの2・3分しかかかってないことに気が付いた、決して流し読みではなかった。
p199
僕は人でいっぱいの図書館を見たんだけど、後で学んだんだけど、その状態ってのは沢山の人の思いが作っていたものだったんだ。それは実際に、その時に僕たちが必要だ、と思ったことから出来上がっているんだ。同じように、僕のベッドルーム、整理ダンスや服など、全ての物がそうなんだ。しばらくして、それらの物はもう作りだす必要がくなったんだ。
 母さんは知っていると思うけど、僕は、どんなものでも、どんな人でも、傷つけるのは本当に嫌なんだ。それなのに、死んだりして、とってもひどいことをしてしまったんだ、そのことは、叩くなんかより何百倍も、僕が知っている人を傷つけてしまったんだ。誰かの所に訪れるたび、みんなは泣いていたり、僕がなんて恐ろしいことをしてしまったのかを話ししていた。みんなが言ったり、思ったりしてることは、心良いことではなかった。ひどい言葉遣いで,僕や僕の行いを分析し、分解し、良し悪しを決め、非難して、恐れや、嫌悪感を込めて、それらを話ししているのを聞いた。(I heard myself and my act analyzed,picked apart,judged,criticized in the worst terms,and talked about with fear and disgust.) 母さんや数人を除いてはほとんどの人は理解できてなかった。そんなことになって、僕は怖くなって、誰の所にも行かなくなった。
 母さんは、理解不足のため、しばらくの間、僕を聖人のように考えようとした。僕は母さんに、本当のことや、そんなことでは無い、というメッセージを送ったんだよ。僕の友達の家族は、僕が精神的に混乱して病気になったのだと、自分たち自身に言い聞かせようとしていた。みんなが、僕がやったのは何でなのか、についての専門家になっていった。何人かの人は、僕が混乱しているのをいつも知っていた、と言った。困難に遭遇した後、自分の子供が同じようなことをしなかったのは不思議だ、とか、(A few were compassionate ,saying,’It’s a wonder one of our children hasn’t done the same thing after all they went through.) あの年ごろは大変な時期なんだよね、何かステファニーのためにできることはないかしら、と、何人かの人は親切に言った。ある人は、悪魔の仕業だ、とか、ある人は、神様が家族に罰を与えている(God was punishing the family or you leaving Dad.)、とか言った。うそのことを聞いたり、何も元には戻らないということを聞くのは、嫌だった。(It was awful to hear some of lies and not be able to say anything back.)
 学校では、僕が何をして何をしなかったのかについて、噂が飛び回っていた。このことは一番うんざりすることだった、だって、みんなが関心を持っているから。そんなゴシップに付け加えて、僕をよく見ていて、問題があることは知っていた、と先生は言った。ある子たちは、注目されたいため、僕がお酒を飲んだり、飲んだと言っていたと嘘をでっちあげていた。僕のことをはっきり覚えてさえいる人ではなく、母さんが本当のことを知っている。
 僕のノートは別物なんだ、母さん。それらを書いた時点のおもいであって、今はまともになっている。(I meant them when I wrote them,and they made sence.)それから、気が付いたんだ、僕は他の違ったことを書くべき、僕が本当に思っていて、もっと強く感じていることを。このノートは死んだ人のとても典型的なノートと思うべきです。ノートには本当のことが書かれているかもしれませんが、あくまでそのときの気持ちの高ぶりのもとに書かれているものであり、僕は冷静な気持ちで書かいたものでないのです。僕は今、子供たちに働きかけています、死のうとしたり、誰かを傷つけるためのノートを残そうとする沢山の子供たち、ほとんどの時はそんな風には思っていないのに。それらのノートを読んだ人たちは大きく落胆する、時には残りの人生の時間中、そして恐ろしいほどの罪の意識に苛まれて。それらのノートのほとんどは、混濁して、感情的になった、不安定な気持ちで書かれた物なのです。
 僕が女性を知るようになるにつれて、助けてくれて愛情を込めた世話をしてくれた女性、女性のことを沢山見出した。
 
 



 
 


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次